BEAST II 検出器¶
BEAST II 検出器は Belle II 実験 Phase1 で衝突点付近に置かれた
ビームバックグラウンドを測定する測定器群のことである。
以下の7種類の測定器から構成されている。
- PINダイオード
- BGO
- CLAWS
- 3He Tube
- TPC
- ダイアモンド検出器
- CsI
ビームバックグラウンド¶
- ビームバックグラウンドは、電子・陽電子のビームが ビームパイプの壁などにぶつかることで生じる粒子のこと
- この時に生じる粒子は、パイ中間子や中性子などがあるが、 これらの粒子がどの程度生成されるかの数を測定するのが目的
- Belle II実験では衝突性能(ルミノシティ)が約40倍になるので、 ビームバックグラウンドはそれに応じて増加すると考えているが、 実際にどれくらいになるのかは測定してみないと分からない
- 多量のビームバックグラウンドによる放射線ダメージは、 Belle II測定器の損傷に繋がるのできちんと見積もらないといけない
- また Belle II Phase1 では、最終段の電磁石(QCS)がまだ設置されてないため ビームを絞ることができず、積極的な電子・陽電子衝突はできない。 ということは、逆に、ビームを回すだけで生じるビームバックグラウンドを測定することが可能。
PINダイオード¶
- 衝突点付近に64個設置されたPINダイオード
- 放射線量の測定
ダイアモンド検出器¶
- 放射線量を測定するためのダイアモンド検出器
- PINダイオードより読み出しが高速?(ちがいが分からん)
BGO¶
- BGO結晶の検出器
- 衝突点のすぐそばに設置され、電子・陽電子衝突の際のBhaBha散乱による、 back-to-back scattering を測定できるようになっている
- 加速器のタイミングでトリガしていないものの、ビーム電流の増加とともに 測定数が増えている
CLAWS¶
- ビーム入射によるバックグラウンドを測定する検出器
- プラスチックシンチレータを使ってる
- BEAST II 検出器の内、唯一、加速器の入射タイミングでトリガをかけている。 なので加速器の運転に応じた信号を検出したという点では、この検出器を取り上げるのがいいのかも
- 逆にいうと、他の検出器はトリガをかけていないので、蓄積したバックグラウンド (入射とは同期してない、残留放射線(?)みたいな粒子)も見ることができる
3He Tube¶
- 熱中性子(thermal neutron)を測定するための測定器
- 3Heを使ったガス検出器
- ワイヤーチェンバーみたいなのだと思ってる
TPC¶
- 高速中性子(fast neutron)を測定するためのTPC(タイム・プロジェクション・チェンバー)
- TPCのガスにはヘリウム4(4He) と 二酸化炭素(CO2)の混合気体を使ってる。 二酸化炭素はクエンチャー。
- 読み出しは半導体シリコン検出器。ATLASとかでも使ってる光検出器らしい。
- 高速中性子が、検出器内部のヘリウム4原子核と衝突すると、アルファ粒子が飛び出る。 このアルファ粒子がヘリウム4をイオン化させ、その時にでた電子が電場により誘導される。 測定器の下部(電子が誘導される方向)には GEM が2段置かれていて、 ここを通り電子雪崩によって増幅された信号をシリコン検出器で検出する
- GEM2段で \(10^{4}\) くらいにはなるが \(10^{3}\) 程度でつかってる
- 測定器内部にはアルファ線源(ポロニウム)が置かれていて、常時キャリブレーションできるようになっている
- 高速中性子によるアルファ線とキャリブレーション源によるアルファ線は、飛跡を見れば一目瞭然。 高速中性子は検出器内部にしか飛跡が残らないのに対し、キャリブレーション源は検出器を貫通するような飛跡になるため。
CsI¶
- 3種類の結晶(CsI, CsI(Tl), LYSO)の検出器を同じ構造体に組み合わせた検出器
- CsI結晶はBelle II測定器のECL(エネルギー測定器)にも使われている検出器である
- CsI結晶の放射線耐性を測定するのも目的の一つ